ハイスコープジャパンとは
世界の5大幼児教育 ハイスコープ(HighScope)が育てる未来
一般社団法人HSJは、米国のハイスコープ教育研究財団の日本支部として、OECDが高く評価するハイスコープカリキュラム及びその理念を日本に広げる活動を担っています。
私たちは、質の⾼い幼児教育を通じて「⼦どもが⾃分の可能性を最⼤限に発揮できる世界」を⽬指しています。
⼦どもは未来そのもの。質の⾼い幼児教育には、⼦ども⼀⼈ひとりの未来、そして世界の軌道をも変える⼒があると信じています。
ハイスコープ教育研究財団とは
ミシガン州イプシランティに本部を構えるハイスコープ教育研究財団は、1970年に設立された非営利団体で、アメリカ全土および世界10カ国以上で優秀な指導者の育成を行っています。
世界中の⼦どもの発達とその家族の幸せを促進し、⼦どもたちの学びを⽀える教育者と保護者を⽀援しています。その使命 は、教育を通して⼦どもたちの⼈⽣の質の向上を⽀えることにあります。
ハイスコープ教育財団の活動
子どもの発達を研究する専門家と協力して、ハイスコープ教育プログラムが持続的・肯定的な成果を生みだせるよう、システムを構築。すべての教育者をサポートし、すべての子どもたちが健やかに成長できる環境を整備しています。
- カリキュラム(指導プログラム、専門的開発プログラム、評価ツール)の開発
- 教師、保育者、運営者、カリキュラムの専門家、教員養成指導者の養成
- 幼児教育分野発展のため、教育に関する研究とその成果を提供
- 子どもに利益をもたらすプログラムや政策を公的に支持する
- 教育書籍、DVD、その他の教材を提供する
OECDが認める幼児教育、ハイスコープをご存知ですか?
ハイスコープ教育は、OECD(経済協力開発機構)が2004年に発表した論文により、科学的根拠のある「世界5大幼児教育カリキュラム」のひとつに数えられ、広く知られています。さらに全米の公立・私立の幼稚園・保育園のみならず、10か国以上にハイスコープ支部が設立されその価値が認められています。
世界5大幼児教育カリキュラム
- ① 経験に基づく教育(ベルギー)
- ② レッジョ・エミリア(イタリア)
- ③ テ・ファリキ(ニュージーランド)
- ④ スウェーデンカリキュラム(スウェーデン)
- ⑤ ハイスコープ(アメリカ)
科学的に実証された幼児教育の重要性
人間の脳は生まれてから6歳までの間に著しく発達するため、幼少期の環境と教育が重要であると長年いわれ続けてきました。
1960年代にアメリカで行われたハイスコープ教育を用いた研究(ペリー幼児教育計画 *1)では、40年に渡る追跡調査により、質の高い幼児教育が子どもの将来に与えるポジティブな効果が実証されました。幼少期の教育が将来の学業成績や就職状況、所得にまで影響を及ぼし、一生涯にわたりよい影響を与え続けるということが科学的に証明されたのです。
さらには、実際に教育を受けた子どもの成功の可能性を高めるだけでなく、次の世代にまでプラスの影響があることがわかりました。
ペリー幼児教育計画:1960年代のアメリカ・ミシガン州において、低所得層アフリカ系アメリカ人で学校教育上のリスクが高いとされた子どもを対象に、質の高い幼児教育を提供し、その後40年にわたり追跡調査を実施したもの
ハイスコープ教育のメリット
ハイスコープの幼児教育を受けた子どもと受けていない子どもを比較した研究結果のデータにより、良質な幼児教育には次のようなメリットがあることがわかりました。
幼児教育の教育的・社会経済的な効果
- 就学環境へスムーズに適応できる
- より感情的に成熟し、自己コントロールができる
- 大学進学率が高い
- 成人後、安定した家庭環境を作ることができる
- 将来的に、より安定した雇用とより高い所得が得られる
ハイスコープの幼児教育を受けた子どものグループ 受けていない子どものグループ
5歳時点でIQ90以上
67%
28%
高校卒業
77%
60%
14歳時点での基本的な達成度
49%
15%
40歳時点で2万ドル以上の収入
60%
40%
出典元:Heckman and Masterov (2007) The Productivity Argument for Investing in Young Children
HighScopeの社会的効果
教育費節税効果$7,303
所得税収$14,079
福祉費節税効果$2,768
犯罪抑制効果$171,473
ペリー就学前
プログラムの費用$14,079
プログラム投資額
1ドルあたりの収益$2,768
出典元:HighScope公式HP内「ペリー就学前プロジェクト」https://highscope.org/perry-preschool-project/
また、50代になった時点への追跡調査により、ペリー幼児教育の効果は受けた本人だけでなくその子どもにも好影響をもたらすこともわかっています。親がペリー幼児教育を受けている場合、その子どももしっかりと教育を受けて安定した仕事に就き、反社会的な行動または犯罪に関わる可能性が低いとの調査結果がでています。
親がペリー幼児教育を受けた子どものグループ 親が受けていない子どものグループ
フルタイムで就業または自営業を営む
59%
42%
麻薬・アルコール依存・逮捕歴が無い
60%
40%
出典元:Heckman, J.J., & Karapakula, G. (2019). Intergenerational and intragenerational externalities of the Perry preschool project. Working paper 2019-033.
ハイスコープ教育で養われる「21世紀型スキル」
変化の激しい社会となった今、子どもたちに求められているのは、21世紀型スキルともよばれる「非認知能力」です。「非認知能力」とは、意思決定力や問題解決スキル、創造力、実行力、コミュニケーション能力などのこと。生きる力や人間力ともよばれ、変化に富んだ次世代を担う人材が身につけるべき能力として文部科学省も注目しています。
日本では長い間、詰め込み型の教育や目に見える評価に重点が置かれていましたが、時代の流れに伴い、平成29年に学習指導要領が改定されました。「これからの社会がどんなに変化して予測困難な時代になっても、自ら課題を見つけ、自ら学び、自ら考え、判断して行動し、それぞれに思い描く幸せを実現してほしい。」との思いから、非認知能力が身につくとされる「アクティブ・ラーニング(主体的・対話的で深い学び)」の学習方法が提言されたのです。
就学を控えた子どもにも、アクティブ・ラーニングの学びは有効です。脳の発達が著しい幼児期の子どもは、アクティブ・ラーニングのような「人」や「物」、「出来事」などとの直接的な体験のなかで、手で触ったり、頭で考えたりしながら、自分自身と周りの世界への学びを深め、自分の世界を構築していきます。
主体的な学びを軸としたハイスコープ
アクティブ・ラーニングを主体としているハイスコープでは、子どもと大人が「対等なパートナー」として活動に参加し、かかわり合い、学びを深めていくことが「アクティブ・ラーニング」であると考えています。そのため、ハイスコープの教室では、あそびの活動中に大人から一方的に知識や指示を与えることはありません。子どもたちは、自分自身の興味・関心を追求することでもっともよく学ぶからです。子どもたちは、対等な関係にある大人からのサポートを受けながら「なにであそぶか」「だれとあそぶか」「どこであそぶか」「どのようにあそぶか」を、自ら決定することで主体的に行動し、学んでいきます。
そのような適切な環境とサポートがあってこそ、子どもたちは自由に興味を広げ、自立心や自尊心、創造的な問題解決スキルなど、意欲的に人生に取り組める素地を育んでいくことができるのです。