HighScopeカリキュラム

カリキュラムのエビデンス

HighScopeカリキュラムのエビデンス ~ペリー幼児教育研究とは~

貧困などのリスクを持った子どもたちに良質な幼児教育を提供することの意味は?
ペリー幼児教育研究とは、1960年代に米国ミシガン州で始まり、その後50年にわたり現在まで追跡調査が行われている研究です。
この研究では、デトロイト近郊の貧困地域に生まれ学業困難のリスクを持つ幼児を、プログラム実施群と非実施群に無作為に分け、プログラム実施群に対して、HighScope参加型学習アプローチに基づく高品質の就学前教育プログラムを行いました。このプログラムはHighScopeカリキュラムと呼ばれます。
この研究では、HighScopeカリキュラムの実施後約50年間、知能指数、学業成績、高校卒業率、就職率、逮捕率、持ち家率などを、プログラム実施群と非実施群で比較しています。その結果、HighScope就学前教育プログラムを受けた群のほうが、5歳時ではIQ、14歳時点では学校の出席と成績、19歳時点では高校の卒業率、そして、27歳と40歳時点では収入や犯罪率や持ち家率などで、優れた結果を示していることがわかりました。
また、ノーベル賞受賞者でシカゴ大学の経済学者のジェームズ・ヘックマンの費用便益分析(Cost-benefit analysis)の研究によると、HighScopeカリキュラムを受けた群では、後に起こりうる社会問題(犯罪)の対応に使われる費用の減少、また成人してからの収入が増えることによる税金収入の増加などにより、プログラムの費用1ドルあたり約7ドルのリターンがあるとのことです。

*OECD(経済協力開発機構)は、 “FIVE CURRICULUM OUTLINS-Starting Strong, Curriculum and Pedagogies in Early Childhood Education and Care” (2004)において、科学的根拠のある「世界5大幼児教育カリキュラム」の一つとして、HighScopeカリキュラムを紹介しています。
*HighScope公式HP内「ペリー幼児教育研究」(英文)
https://highscope.org/perrypreschoolstudy
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