HighScopeカリキュラムの実践
HighScopeの教室では、毎日のルーティンとして、子どもが予測可能な一連の活動を行っています。これら一連の活動は、子ども自身が選択を行い、自分の興味に従って、その能力を発達させることができるような構造になっています。各プログラムにおいては、設定やスケジュール、人数などを最も適した形でルーティンを決めますが、以下の活動は、必ず日常的に含まれています。
PLAN-DO-REVIEW TIME
この3つの部分からなる一連の流れは、HighScopeのアプローチとして特徴的なものです。この中には、以下の活動が含まれます。
・Small-Group time :10~15分間。次の「Work time」で何をしたいのかを子どもが自分で計画する時間を含む。計画する内容は、場所、使う道具や材料、一緒に遊ぶ友達など。
・Work time:45~60分間。計画を実行する時間。
・Small-Group time :10~15分間。自分がしたことや学んだことについて、大人や他の子どもと共に振り返る時間(Review time)を含みます。
・「Work time」と「review time」の間には、子どもは自分が使った材料や道具を片づけたり、まだ完成していないものを保管したりして掃除を行います。
一般的には、子どもが年長になればなるほど、計画や振り返りの時間は長く内容も細かくなります。子どもたちは、自分が興味のある活動を追及しているので、Work timeの間、非常に活動的で目的的です。
子ども達は、始めの計画に従って活動を行いますが、しばしば、活動を進めるにつれて計画を変更し、時には完全に別のものに変えることもあります。
SMALL-GROUP TIME
この時間は、理想的には6~8人の人数で活動します。ここでは、子どもたちは大人と一緒に、材料や道具を試して問題を解決します。大人は、特定の学習領域を強調するために、小グループの活動内容を選びますが、子どもはこの時間の間、自分たちが望むどんな方法でその材料を扱ってもいいことになっています。この時間の長さは、子どもの年齢、興味、注意集中の長さによって変わります。この期間の終わりには、子どもたちは片付けの手伝いをします。
LARGE-GROUP TIME
この時間は、子どもの共同体意識を育みます。最大20人の子どもと2人の大人が一緒に運動や音楽活動、読み聞かせ、その他の共通の体験をします。子どもたちには、リーダーの役割を選択して行う多くの機会があります。
LARGE-GROUPE TIMEでは、毎日、子どもと教師がメッセージボードの周りに集まり、その日の活動について言葉と絵のメッセージを読みます。
OUTSIDE TIME
子どもと大人は毎日少なくとも30分を外で過ごし、新鮮な空気の中で、激しい、しばしば騒がしい遊びを楽しみます。子どもたちは、自由に大きな動きや大声を出す経験をすることができます。走ったり、登ったり、揺れたり、転がったり、跳んだり、叫んだり、歌ったりすることを、エネルギーいっぱいに行います。子どもたちは、植物や生きものを集めたり、育てたり、調べたりして自然の素晴らしさを体験します。悪天候や何か危険な状況があれば、教師は粗大運動活動のために代わりとなる屋内の場所を選んで使います。
TRANSITION TIMES
トランジションとは、到着時間と出発時間の間の時間と同様で、活動と活動の間の時間です。ここでは、1日のスケジュールの中で子どもたちがスムーズにトランジションを通過できることが目標とされています。
子ども達は自分自身に、意味ある学習の機会を提供しているので、可能な限り、子どもにどのようにトランジションをしたらいいかを選択させるようにします。例えば、子どもたちは、Small-group timeに向かう途中でどのように床を移動するか、その方法を選びます。
一貫した毎日のルーティンの中で、子どもたちは次に何が起こるかを知っていて、子どもたち自身が、次の活動を知らせたり移動を始めたりすることは珍しいことではありません。
EATING AND RESTING TIMES
食事とおやつによって、子どもたちは、温かで共感的な環境の中で、健康的な食べ物を食べることを楽しむことができます。休憩は静かな一人の活動のためのものです。
これら両方の活動が、家庭だけでなく教室でも行われるために、私たちは可能な限り、家庭での慣習を尊重します。ここでの私たちの主な目標は、プログラム内で共有される安全な共同体感覚を作り出すことです。